岩の山より花の山
血気盛んな若い頃に始めた登山ゆえに、高みを目指してばかりいました。社会人になって登山を再開して、最初のテント泊は奥穂高でした。その後の東北の山も、基本的に標高の高い山ばかり選り好みしていて、気軽に登れる山は見向きもしないという、ずいぶんと偏った登山遍歴です。たとえば宮城に住んで長いですが、地元民に愛されている栗駒山は一度も登っていません。鳥海山や飯豊山は何度も登ったのですがね。
仕事が忙しくなり、昔のような『車に山道具を積んでおき、金曜日の夜に会社上がりに寝ないで山へ直行』するような強行軍は、もう難しくなりました。今は寝ないとまともに動けません。
そんなわけで最近興味があるのは200名山を中心とした、『標高はそれほどでも無いけれど、良い山』です。標高の高い山は多くの場合、登山道入り口までのアプローチも総じて長く、登る前の移動ですら結構な手間が掛かります。ところが標高が少し下がるとアプローチがぐっと近くなり、土日で一つずつ登れるところも少なくありません。
そしてなにより、低い山は花が豊富な山が多いと言うこと。たとえば森吉山(秋田)、白神山(青森)あたりは山頂まで花が楽しめたりします。標高の高い山は山頂=岩ですから、達成感や景色の美しさはありますが、山頂自体はゴツゴツして風も強く、居心地はそれほど良くありません。
先日の早池峰山が楽しかったので、岩より花、攻める山より楽しめる山が今年の山行のテーマです。