白馬岳 大雪渓、鑓温泉縦走 15年9月
シルバーウィークの北アルプス遠征登山は表銀座を予定していましたが、ネットで連休中の槍ヶ岳の混み具合(渋滞!)の写真をみたらとても行く気になれず、ツレと相談した結果、白馬岳に変更となりました。
北アルプスといえば上高地からアクセスする涸沢を中心とした穂高か槍ヶ岳そして白馬岳が代表的なところだと思いますが、上高地からのアクセスに慣れていることもあり、これまで白馬岳は行ったことがありませんでした。車でアクセスするので、駐車場などの勝手がわかる上高地はとても便利なのです。白馬岳は勝手がわからず不安でしたが、行ってみると駐車場も無料かつ巨大で、東北からのアクセスだととても行きやすいことがわかりました。
今回のコース
■1日目(2015年9月20日) 猿倉→大雪渓→白馬岳頂上宿舎(テント設営)→白馬岳
■2日目(2015年9月21日) 白馬岳頂上宿舎→鑓温泉→猿倉
予定では二泊三日の校庭で、2日目に白馬岳山頂を踏み、鑓温泉に宿泊予定でしたが、初日にあまりにも天気がよかったため、頂上まで行ってしまい、1日早く下山してしまいました。
1日目 猿倉→大雪渓→白馬岳頂上宿舎(テント設営)→白馬岳
宮城から白馬村へ
19日深夜宮城を立ち、白馬村へ。事前に駐車場を調べたのですが、村の観光案内がしっかりしており、駐車場が無料で、とりあえずバスターミナルを目指せば良いことがわかりました。
- 宮城→白馬八方駐車場 ナビで白馬駅周辺を目指す。約5.5H
駐車場は以下の八方第2駐車場(100台)、八方第3駐車場(200台)、どちらも無料 駐車場からバス停まで2〜5分。
http://www.happo-one.jp/access/img/parking_map.pdf
- 方バスターミナル→バス(22分・930円)→猿倉バス停 バスで猿倉まで
バス停は上のPDFの八方インフォメーションセンターにある。モンベルが入っている。
- バス時刻表
猿倉〜大雪渓
始発のバスは2台体制で満席、補助席まで埋まる状況でした。さすが連休です。縦走用バックパックを膝に抱えて、ギュウギュウでした。
バスで猿倉に到着。遭対協の方々に登山届けを出し、いざ出発
大雪渓入り口の白馬尻小屋に到着し、大雪渓の状況を確認。今回、事前情報で9月中旬以降はアイゼン不要とのことで、アイゼンを持って行きませんでした。どうやら秋道があるとのこと。しかし、大雪渓に到達すると、皆アイゼンをしっかり装着しており、秋道なるものが見当たりません。どうみても大雪渓をそのまま登るしかない様子…しかも、大雪渓は3時間近く登り続けるわけで、どうしたものかと悩みましたが、何人かアイゼン無しで登る人もおり、とりあえず行けるところまで行ってみよう、ということで、いざ大雪渓へ。
傾斜は急でしたが、2015年9月20日現在での印象では、正直アイゼンの必要性は感じませんでした。スプーンカットがはっきりしてあり、大人数が同じ道をトレースすることでほぼ階段状になっているので、むしろアイゼンが無い方が歩きやすいと思います。アイゼンを履きなれているとか、大雪渓を往復して下山も使うなら持っていても良いのですが、縦走なら荷物になるだけでは無いかと思いました。もちろん個人の、限定的な時期での印象です。
大雪渓は予想よりスケールが大きく、9月末でここまで残っているとは思いませんでした。他の登山客からも、こんなに長いとは思わなかった、もっと真っ白だと思ったなど愚痴も聞こえてきました。私も秋道なる普通の登山道を歩くつもりだったので、延々と雪渓を登り続けるのは予想外だったのですが、結果として7月の鳥海山を超えるスケールの大きい雪渓が初めてだったので、良い経験でした。ただし、人が一列に連なって登るので、なかなか休憩も思い通りにならず、疲労感はありました。
大雪渓の下の写真はパノラマ合成ですが、Lightroomで容易にパノラマ合成ができてしまうため、広角レンズをヤフオクで処分してしまいました。レンズ一本で済んだ方が山や旅先で便利ですから…
大雪渓〜白馬岳頂上宿舎(テント設営)
天気が良いこともあり、アルプスらしい雄大な景色の連続で、休憩を取るつもりが無いのに思わず足を止めて写真撮影ばかりしてしまい、ややコースタイムより遅れ気味でした。
久々のテント泊縦走装備、しかも色々行動食のチョイスを誤り、疲労ばかりたまってしまいました。いつもは行動食といえばフルーツグラノーラオンリーで、ボトルに詰めて口に流し込むのですが、今回はクラッカーにしてしまい、正直口の中の水分が奪われ、腹持ちも良くなく、大失敗でした。山の行動食は『フルーツグラノーラだけで十分』でした。
1時前には白馬山頂宿舎に到着後、急いでテント場へ。ちょうど二張り分、いい場所が空いており、すぐに設営を済ませましたが、これは奇跡的だったようで、その後続々と人が集まり、テント場は隙間なく設営されてしまい、ちょっと遅れるともう張れないところでした。ちなみに設営料が1000円。相場の500円より随分と高いと思いましたが、トイレ、水が無料なのでペイするといえばします。
テント設営後、食堂で飲み物と軽く食事。村営にしてはメニューも多彩でケーキセット600円などは頑張っているメニュー構成だと思いました。
白馬岳頂上宿舎(テント設営)〜白馬岳頂上
予定では二日目に山頂へ行く予定でしたが、テントを設営、食事を済ませて一眠りしてまだ15時前で、明るく時間を持て余してしまいました。山頂まで30分もあれば行けるようなので、天気が良いなら行った方が良いと思い、思い切って山頂へ行ってみることにしました。
山頂手前の白馬山荘に寄ってみましたが、正直テントでなく、小屋泊まりなら圧倒的に白馬山荘の方が綺麗で良いと思いましたが、縦走するなら登山道に近い頂上宿舎もあり、といった印象です。小屋のスカイラウンジなるスペースは景色は雄大そうでしたが、連休だけあって全く席は空いておらず、ちょと覗くだけですませて、すぐに山頂へ向かいました。
白馬岳の山頂は開けて365度の雄大な景色が見られ、この日のように天気が良ければ最高の山頂です。景色だけなら奥穂高、槍も良いのですが、広くてゆっくりできるので、食事しながらのんびりすることもでき、小屋も近いので『山頂を楽しむ』なら白馬岳は最高の部類です。槍や奥穂は山頂は楽しめませんから…
山頂から剱岳が見えました。
白馬岳頂上宿舎(テント設営)で星景写真挑戦
初めて星景写真に挑戦しました。日が暮れて、夕食を済ませる頃には気温も急激に下がり、今回私はフリースとレインウェアだけでしのぎました。私自身はこれで十分しのげましたが、正直ダウンジャケットがあった方が良いと思いました。
ヘッドランプの明かりを頼りに、稜線上まで上がりました。予想外だったのは、Eneloopを充電して持ってきたのに、やたらと暗くてすぐに用電池交換の警告ランプがついたこと。翌日日が昇ってからつけてみたら、明るく煌々と光ったので、低温に負けたようです。スペック上は問題無いはずだったのですが、どうやら劣化してしまったのかもしれません。
稜線上は素晴らしい星空『のようでした。』明確に『でした』と言えないのは、私には普通の星空にしか見えなかったのですが、一緒に同行したツレがいうには天の川もはっきり見えて、素晴らしい星空とのこと。要するに私の視力では天の川はやや見える程度なのですが、視力が人並みにあるツレには素晴らしい星空であるということ…視力の差で感動具合が異なるのは正直ショックでした。私は夜目が効かないので、イメージセンサーのISO感度が低い状態ということでしょう。
頼りない明かりで三脚を設置して撮影してみましたが、確かに星がびっしりと写っています。天の川と山頂を一緒に撮りたかったのですが、白馬山荘の明かりが邪魔で止むを得ず別方向を撮影しました。
どうにもブレぶれで、持ってきた三脚(マンフロット Befree カーボン)がダメだと思い込んでいたのですが、帰ってから調べてみると、カメラの手振れ補正をOFFにし忘れていたのがよくなかったようです。星の移動に合わせて動かない街のかありも同じ方向に移動してしまっているのがその証拠でしょうか。
重い機材を運んで行って失敗写真を撮ってしまい、ちょっとがっかりですが、良い勉強になりました。
撮影後テントに戻りましたが、寒いせいもあってか、周りじゅういびきだらけで、なかなか寝つけませんでした。耳栓が必要かもしれません。
2日目 頂上宿舎→鑓温泉→下山
白馬岳頂上宿舎〜白馬岳頂上宿舎
天気は夜中に強風が吹き、次第に曇ってきて、朝は霧の中を出発となりました。初日に山頂を踏んでおいて心底よかった、と思います。日中晴れてきたので、この日に下から登ってくる組は無事晴れた山頂を拝めたと思いますが、縦走中の早朝に山頂にたった組は、霧に包まれ景色が見えないということになります。ほんとうに山の天気は変わりやすい…
稜線上を歩いているうちに、日が昇ってくると、どんどん霧が晴れてきて、雄大な景色が見えてきました。
鑓温泉→下山
10時過ぎに鑓温泉に到着。ここまでは順調だったのですが、温泉直前頃から足の筋肉が『本日の営業は終了しました』状態となり、まったくコントロールが効かなくなりました。膝が曲がった状態で着地すると、踏ん張りが利かずそのまま転びそうになってしまいます。私が登山初心者のころと同じ状況に陥ってしまいました。頸椎症性神経根症で1年のブランクと、その間の運動不足で相当体力が劣ってしまったようです。登りでは気づきませんでしたが、下山はモロにダメージが足にくるので、わかりやすいのです。
無料で利用出来る足湯につかりながら、これからどうしようかとツレと相談。本来泊まる予定でしたが、時間が10時台で、正直時間を持て余すし、足がこの弱り切った状況では、一晩過ごすと余計に足が動かなくなっていると思われ、泊まるよりこのまま降りた方が良いと判断し、11時には下山することにしました。
下山で足がコントロール不能となり、登りで気づきませんでしたが、かなり靴のグリップが効かなくなっていて、何度も転ぶなど情けない下山となってしまいました。かつてテント泊で槍穂テント泊縦走、ジャンダルムを軽々と超えていたとは思えない、おじいちゃんモードの歩きで、小学生に抜かされるなど無様で正直涙目でした。もうちょっと筋トレをしっかりしておくべきだったと思います。温泉小屋から先は鎖場の連続で、滑りやすい靴、効かない脚でようやくの思いで乗り越えました。
下山後猿倉荘について一息つきたかったのですが、コースタイムよりプラス1Hもかかってしまい、到着は14時前後の予定が、15時過ぎでした。後10分後にはバスが出る時間で、それを逃すと1.5Hも待つということで、ゆっくりする間も無くバスに飛び乗りました。
白馬村〜宮城
下山後、駐車場までの徒歩ですらヒーヒー言いながら歩く状況でした。幸いなことに、バス停の八方インフォメーションセンターのすぐ脇に温泉(白馬八方温泉 八方の湯)があり、すぐに入浴できました。かなり混んでいて、脱衣所では男同士のケツがぶつかり合う混み具合でしたが、回転もよく、入浴には差し支えありませんでした。
入浴後、がっつりしたものが食べたいと付近を検索、候補に幾つか上がったものの、結局ありつけずそのまま高速に乗ることになってしまいました。
- グリンデル
最有力候補だったのですが、夕方のオープン後すぐに行ったのにすでに駐車場が満車、並んでおり、止むを得ず他の店に。
- アンクルスティーブンス
メキシコ料理の店ですが、こちらはナビでも迷うような狭い道に入り、店にたどり着いたものの、駐車場もなく、付近のホテルに泊まった観光客向けの店といった塩梅で、車ではアクセスしづらい店でした。結局諦めて帰ることに。
- 米山SA
いつもアルプス帰りは北陸自動車道の米山SAで食事をします。いつもは『鯛茶漬け』なのですが、がっつりしたものが食べたく、ヒレカツ定食をいただきましたが、まぁまぁの味です。とはいえ、場所柄本来は海の幸が一番の店なのでしょうね。鯛茶漬けは売店でも瓶入りのが売っていますが、オススメです。
今回のおすすめ
カメラのレンズは…
SIGMA 標準ズームレンズ Contemporary 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM キヤノン用 APS-C専用 884543
すべてこれ1本です。天気さえ良ければ(光線さえよければ)十分な写りで、軽くてコンパクトで言うことなしです。
今回PLフィルタをつけたりはずしたりしたのですが、こういうときに便利なのが、こちらのフィルターケース。
Kenko 手入れ 保管 管理用品 3枚用フィルターケース Lサイズ レッド FC350L-RD
山に持って行く時、レンズが1本で済ませることが多いのですが、そうするとフィルターはPLフィルタとNDフィルタ、あとはプロテクターくらいで済んでしまうことが多く、必要最小限の構成が治るコンパクトなケースとして、このフィルターケースを愛用しています。胸にかけたカメラバッグのポケットに収まり、出し入れしやすいため持って行くレンズが増えない限りはフィルターケースはほぼこれだけを使っています。