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焼石岳:湿原の美しい水と花の山

今週は焼石岳に登ってきました。6月までに早池峰栗駒、焼石と、ずいぶんと順調に登れています。しかも、すべて快晴でした。今年は山と相性が良いのかもしれません。

項目 内容
名称 焼石岳(やけいしだけ)
標高 1,547.7 m
山系 奥羽山脈
位置 岩手県南部、栗駒国定公園の一部

意外と観光に力を入れているようで、こちらがとても参考になります。ここだけで事前情報は十分かも。

焼石岳や焼石連峰の最新登山情報はこちら~焼石観光開発連絡協議会

焼石岳へ:出発〜中沼コース登山口まで

今回焼石岳へは『中沼コース』を選択。一番景色が良さそうだったのと、コースタイムが3H程度と手頃だったからです。駐車場が週末一杯になるというので、早めに出かけることにしました。

週末ホタルを撮影したあと、仮眠して午前一時には起床し、出発です。相変わらず出かける前は、『面倒くさい、やっぱやめておこうか…』と行きたくない病が発症したのですが、無理矢理起き上がり、なんとか出かけることが出来ました。

宮城から東北道で北上し、途中のSAでトイレと朝食を済ませ、平泉前沢ICより『胆沢ダム』を目指します。

4時を回り、空もだいぶ明るくなると、巨大な胆沢ダムが見えてきました。ダムの脇のトンネルを抜け、すぐに登山棟入り口の看板が見えます。事前に登山道の入り口は調べてきたのですが、ナビでは林道までは入っておらず、目的地登録が出来ませんでした。ちなみにGoogleマップではしっかり道が表示されているので、併用すると良いでしょう。

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看板に従って登山道入り口を目指すのですが…。車一台分がやっとで、一人で通る舗装されていない林道はかなり怖いです。先行車があると石が飛んできて傷が付きそうですし、注意が必要です。距離にして約6km、20分前後の行程です。

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ようやく到着した駐車場。4時台に到着したのにスペースの既に7割は埋まっており、私が準備をしている間にも続々車が到着していました。確実に車を停めたいなら、4時台に来ないと行けないということですね。 

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未舗装の林道を通ってきたにもかかわらず、キチンとトイレもありました。地元が観光資源として出来る範囲で大切にしていることがうかがえます。

これから登る中沼コースはコースタイム3H弱、ハシゴや鎖など危険箇所も無く、比較的安全です。木道があるとは言え湿原を歩くので、スパッツで泥よけをしたり、あえて長靴で登る人も見られました。

中沼コース登山口〜中沼

入り口から木道を通っての出発です。天気は快晴、無風。気温が高めなので、水よりスポーツドリンクを多めに盛ってきました。

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登山道は木道が無いところも湿っぽく、湿原らしい登山道です。歩きにくいわけではありませんが、水気が多いので靴の防水はしっかりしておいた方が良いでしょう。水分が豊富なだけあり、草木は青々としています。

40分ほど歩くと、『中沼』に到着です。無風のため、鏡のような水面に風景が映り込み、幻想的な風景でした。三脚をもってこなかったのが悔やまれます。絞ってじっくり撮りたかった。蛍撮影で車に積みっぱなしだったのですが…

焼石岳・早朝の中沼

何の魚かはわかりませんが、魚影を見かけました。

撮影していて虫が多くてちょっと辟易しました。ちなみに後で撮った写真を見ると、この中沼から山頂の写真まですべて虫が映り込んでいました。レタッチが大変です…。三脚を据えてシャッタースピードを遅くすれば良いのでしょうか。

中沼〜銀明水

ますます緑が濃くなります。

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登山道は小川沿いを進みます。標高が上がってくると、ミズバショウの群生が見られるようになってきました。

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中沼の次は上沼です。

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ますます湿原らしくなってきました。

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ミズバショウは中沼直後ではすっかり花が終わってしまい、大きな葉っぱだけだったのですが、標高が上がるにつれて残雪が残っており、気温が低くなるためか花が咲いている状態になっていきました。

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銀明水に到着。わき水が豊富で、ひしゃくも用意されていました。ここまで登ってきて、水だけ汲んで帰る人もいるようです。水割りにしたら美味しそうな、まろやかな水でした。

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銀名水〜姥石平

銀名水からはいくつかの雪渓を渡ります。アイゼンは必要ありません。雪渓歩きをするようになると、上空も開けて空が広くなります。無風とは言え、空気は涼しく歩いていて気持ちが良いです。眩しいのでサングラスはあった方が良いでしょう。

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雪の白とリュウキンカの明るい黄色のコントラストが眩しく、美しい光景でした。

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次第に山頂が見えてきます。

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姥石平に到着です。かわいらしいお地蔵様が出迎えてくれました。山頂まであと少しです!

焼石岳

姥石平〜泉水沼〜横岳分岐〜山頂

姥石平を発ち、しばらく開けた平原を気持ちよく歩くと、山頂直下の泉水沼に至ります。

沼の水面に山頂が映り込み、この沼も美しい光景でした。焼石岳はとにかく水が美しい山なのです。

泉水沼

ちょっと登った上からの泉水沼。

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山頂の横にあるから横岳。道がしっかり付いているように見えますが、マップ上は道があれているのでバリエーションルート扱いでした。

横岳

山頂直下では他の山もよく見えるようになります。

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ようやく山頂に到着!写真を撮りながらなので、コースタイムをややオーバーの3Hちょいでした。

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山頂の眺め

天気が良かったので、鳥海山がよく見えました。

焼石岳からみる鳥海山

今回もPeakFinderを使いました。

PeakFinder Earth App
カテゴリ: 旅行
価格: ¥480

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火山由来の岩肌と豊富な緑、そして雪の白さが美しいです。

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山頂に向かう登山者。

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下山

今回も行きは風景、帰りは花で撮影していました。

この山でもイワカガミは綺麗でした。クローズアップレンズの500Dを持って行ったので使いはしましたが、やはり面倒くさい。結局そのまま直撮りがほとんどでした。

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ミズバショウは朝方より、下山時の太陽が高くなってからの方が美しかったです。

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明るい登山道。下山の時まで気持ちのよい山でした。

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無事下山して、時間を見ると十一時二十分でした。上り下りで六時間少々、コースタイムよりやや多め程度。

駐車場を見るととんでもないことになっていました。満車はもちろんのこと、何より林道の結構下の方まで路駐であふれていました。登山道を管理しているらしき方と話をしたのですが、これまで見たことの無いほどの人出とか。なんでも東焼石岳のコースの花畑が有名とかで、そちらが目当てなのではとのこと。私は焼石岳だけだったのですが、勿体ないことをしました。六月下旬あたりがよさげなので、もう一度登っても良いかもしれません!

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温泉

さて下山語の温泉です。中沼コースの林道入り口からわずか5分の距離に、『クアパークひめかゆ』があります。胆沢ダムの下流直下にあり、立派な駐車場を備えた観光施設です。

www.himekayu.com

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入湯料は日帰りで600円。泉質はナトリウム塩化物質(高張性弱アルカリ性高温泉)で、ぬるっとしたお湯でした。下山後の疲れた体に効きそうなお湯でした。

焼石岳の感想まとめ

中沼コースでの完走です。結論から言うと、『湿原の遊歩道を歩くような花が美しい美しい登山道』でした。山の美しさには景色の雄大さと、もう一つ登山道の美しさがありますが、焼石岳は後者ですね。尾瀬の湿原を歩くような登山道で、早朝の静かな中沼は幻想的な美しさでした。もちろん山頂に至れば雄大な景色も楽しめるので、山好きなら誰もが高評価を下すでしょう。

ただし、登山道までの林道は出来れば遠慮したい怖さです。行くなら4時台に現地に到着するつもりで行かないと、駐車場は満杯になり、狭い林道に路駐する羽目になります。

項目 内容
登山道 よく整備され美しい
景色 登山道は花が美しい。山頂は遠く鳥海山がよく見え、雄大。
登山道までのアクセス 途中の林道が『ハード』一人だと不安になる
温泉 登山道入り口から5分ほどの距離に『クアパークひめかゆ』がある

焼石岳の地図は『山と高原地図』では『栗駒早池峰』に収録されています。ここしばらく登った早池峰山栗駒山・そして焼石岳と、一枚の地図で済んでしまいました。