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郵政IPOに申し込んだ

子供の頃読んだ漫画(たぶんコロコロとかボンボンあたりだったと思います)で読んだネタです。

どこかのお偉いさんが、手柄を立てた部下に褒美として「えぬていていかぶ」を与えると約束し、実際にあげたのは「えぬていてい」と文字が彫ってある切り株でした…。

1987年のNTT株上場の狂騒は、子供向けの漫画にも及んでいたようです。ゲームのアイテムにも出てきた記憶があります。なんでも当時は家族全員の名義で証券口座を開き、借金してまで株を買ったとか。それでも儲かるのがほぼ確実なのですから、すごい時代です。漫画を読んだ当時、小学生だった当時の私は、このネタの意味がわかりませんでした。株(証券)のことも分からなかったし、田舎暮らしで両親ともに職人の家系だった我が家には証券会社との付き合いもなく、全く縁がなかったのです。

間も無く最後の国の資産の大型上場とも言われる、郵政三事業会社の株式上場(IPO)が行われようとしています。通常IPOは宝くじのようなもので、タネになる現金がをそこそこ持っていないとまず当たりませんが、今回は規模が大きいので私にもチャンスがありそうです。「株券」と「切り株」の違いも認識できなかった私も、いまや「いい歳」です。チマチマとですが積み立て投信などをして、証券会社の口座も使うようになりましたので、初めてIPOに挑戦してみました。

郵政民営化

今回上場するのは、銀行業の「ゆうちょ銀行」、保険業の「かんぽ生命」、親玉で持ち株会社の「日本郵政」となります。どの事業も日常触れる機会があり、イメージがつきやすいのが特徴ではないでしょうか。3社のどれに、どれだけ投資するか決めなくてはなりません。しかも抽選なので、戦略も必要です。

ゆうちょが1450円、日本郵政が1400円、かんぽが2200円。それぞれ1単元100株買うと、50万円前後に収まるという、素人の個人投資家がとても投資しやすい価格帯です。気持ちとしては全力買いしたいところですが、私も貧乏で、NTT上場当時のバブルとは異なる不安感いっぱいのこの時代、絶対儲かるという自信もなかったので、目標は1単元ずつで50万円を目指すことにしました。

ゆうちょ銀行

私もゆうちょ銀行の口座を持っていますし、大学時代は実家の仕送りを受け取る、まさに生命線でしたし、今もオークションの代金のやり取りなどで使っています。考えてみると、メインバンクなどよりはるかに長く、まさに子供の頃から使っているわけです。上場されれば今の制約(1000万円縛りなど)も撤廃が期待され、成長が期待できます。ここは是非投資したいです。

かんぽ生命

かんぽは正直馴染みがありません。生命保険などは安く済ませるなら県民共済など共済系があり、そちらのほうが手厚く便利な気もします。そんなわけであまりなじみもなく、成長が期待できるかというと疑問があります。

日本郵政

持ち株会社といっても、今後ゆうちょとかんぽは手放すのですから、実質郵便事業ということでしょう。郵便はなくてはならず、企業としての存続は心配ないと思いますが、ライバルのヤマトや佐川との激しい戦いを強いられると思います。とはいえ、会社としては土地など資産も膨大です。

IPO申し込み

SBI証券

メインの証券会社であるSBI証券では1単元ごとに3社申し込みました。とりあえず現預金をSBIネット銀行のハイブリット口座に入れておけば良いので、わざわざ証券会社の口座にお金を振り込まなくて済み、気楽です。

ただし、あとで知りましたがSBI証券はたくさん申込める資金力のあるものが有利で、私のように1単元レベルの申し込みをするものはほぼあたりが期待できないようです。とはいえ、今回はそれでも当たるのではないかという、期待がありました。

カブドットコム証券

カブドットコム証券はMUFGグループです。なんとなくネット絵評判が良いということで、ろくに調べもせず口座開設しました。こちらはIPOに申し込むには事前に必要金額を入金しておかなくてはなりません。私は三井住友銀行の口座があったので、コンビニATM経由でそちらからお金を入金しました。ちなみに口座開設後に電話で日本郵政G上々ですよ!とセールスがあり、随分と商売熱心だと思いました。とりあえずこちらはサブですし、一番欲しいゆうちょ銀行を1単元申し込みました。

IPO抽選の結果

さて、抽選の結果ですが、SBI証券分はゆうちょ:落選、かんぽ:落選、日本郵政:補欠から繰り上げ当選でした。補欠は実質落選だと思っていましたが、当たることもあるようです。カブドットコム証券はゆうちょ:当選でした。結果、私の初IPOは、ゆうちょ100株、日本郵政100株となりました。

今回の反省点として、カブドットコム証券は平等抽選なので、カブドットコム証券の方にも資金を振り向けておくべきでした。SBI証券の方は、絶対欲しいなら200株でも500株でも、資金の許す範囲で申し込んでおくべきだったということになります。それぞれの証券会社で、先にお金を入れるとこと、あとでもいいところとルールも違えば抽選方式も異なり、しっかりと仕組みを理解していないと、損をするということがわかります。

嘘つきばかり

ほんとうに投資の世界は嘘つきばかりです。私も初IPOだったのでネットで情報をあさっていましたが、抽選前は「今回の郵政G上場は期待できない、危険」とネガティブな情報を流していた人が、いざ抽選後は「実は全力買いしていた」など、ライバルを蹴落とすためには何でもやるようです。やはり人間、実利が絡むと汚くなりますね。

ちなみに現在の状況は、抽選前は総じてネガティブな評価が多かったのに、抽選後あとは上場当日を迎えるだけとなった今、いかに郵政3会社が素晴らしいかと今度は買い煽る情報でいっぱいです。

お金はお金持ちが好き

IPOでも普通の投資でもそうですが、まずは種銭(元手)がないと話になりません。元手があればIPO当選も可能性が上がり、利益を得られるチャンスにありつけます。何かチャンスをつかもうとするならば、準備が必要です。ホテルニューオータニ創業者大谷米太郎も、『たった今から収入の一割の貯金をしたまえ。自分で苦労したタネ銭がなくては、芽も出てくるまい。』と言っていましたが、概ねお金持ちは同じような言葉を残しています。

今回のIPOが値上がりして利益を生んでくれるかどうかは現時点ではわかりません。とはいえ、2銘柄を1単ずつという、ささやかながらもチャンスは得られました。

今後もタネ作りにいそしまなくてはなりませんね。

「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資して巨万の富を築いた本多静六の名言集です。ささやかな月収を元手に投資して財産を作るというのは、投資先進国の欧米では当たり前でしょうが、日本ではまだまだそういった考え方が浸透しきっていないように思います。当時は山林など今とは違う投資先ですが、投資の考え方に関してはとても参考になります。