人力移動Blog

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2画面ファイラー

先日久しぶりに『ファイラー』を導入しました。最近ちょっと話題の、Commander Oneです。フリー版と有料のPro版があります。Doropboxなどとの連携がしたいので、思い切ってPro版を買ってしまいました。

Commander One PRO - FTP/SFTP client, RAR, 7zip and Tar extractor App
カテゴリ: ユーティリティ
価格: ¥600

やはりファイル操作、それも整理整頓にはファイラーが一番です。とくに2画面ファイラーはフォルダAからBへといったように、2カ所でファイルを整理整頓するのなら最高のツールです。わかりやすく説明するならWebページを作る時のFTPクライアントが近いのですが、最近は個人のWebページも消滅しかけで、なかなか説明しづらくなってしまいました。Macを使うようになってから10年以上ですが、これだけはPCを初めて使った時の、当時の感覚が抜けません。

懐かしのPC環境

私がPCに本格的に触り始めたのは、大学の研究室に配属された90年代の終わりの時で、当時はWindows95、98あたりが主役になりつつあり、パソコン一人一台時代のちょっと前で、理系の大学でもまだ個人でPCを持っている学生の方が少数派でした。学生たちはPCルームで共用のものを使っており、telnetでサーバーに接続したりしていました。

※ ちょうどiMacが初めて世に出た頃で、これまでのパソコンとは違う、独特な透明でカラフルな筐体が大学生協に並び、目を引いていたのを思い出します。

アップル - サポート - iMac G3

そんな時代ですが、なぜか私が配属された研究室では強制的にPCを買わされ、各自専用のものを自前で用意するのがオキテでした。しかも当時は高価なパソコンを鍵もかからない研究室に置くのが決まりで、自宅に持ち帰れないという、色々とイヤなルールでした。

研究室では毎日実験装置からデータを取ってきて、自分のPCで整理するのが日課でした。実験装置はDOSで動いており、研究室の院生の先輩に指示され、雪が降る中自転車で測定装置のある棟まで出かけ、PC-98の真っ黒な画面にFDと打ち込んでファイラーを立ち上げ、測定データを5インチのフロッピーディスクに保存していました。

FD (ファイル管理ソフト) - Wikipedia

実験装置はDOSBasicで動いており、作業用PCはWindows95、計算するPCはtelnetで大学のUnixサーバーにつないでFORTRANで計算、印刷はMacにつながったレーザープリンターと、おそらく今ではあまりないような、時代の間らしい、混沌とした環境でした。

HC-20 - Wikipedia

http://oldcomputers.net/pics/epson-hx-20.jpg

PC-9800シリーズ - Wikipedia

そういえば、就職活動などでメールを使う時も、大学のサーバーについ内でemacs上のmhだったか何かのメーラーで読み書きしていたはずです。当時はmuleを使いましたが、muleemacsというテキストエディタの拡張版だったということも知らず、UnixのOSか何かだと思っていましたし、実験装置のDOS上で起動したFDも、OSの機能そのものだと思っていました。

Mule - Wikipedia

Emacs - Wikipedia

考えてみると、当時パソコンの基礎について体系的に教わったことがありません。大学ではじめてPCルームに集まり、講習を受けた時も、「こうしなさい」と言われるがままにサーバーにログインし、emacsFORTRANのプログラムを書き、計算しただけです。よくそれで理系の学生が務まったな、と思います。

そんなコンピューターの基礎知識もなかった無知な学生にとって、ファイラーはファイルをAからBへ移動、コピーするといったことが直感的に理解でき、唯一親しみを持てるツールでした。知識が無いなりにもなんとかなったのは、ファイラーのおかげ(あとファイラをセットアップしておいてくれた先輩でしょうか?)です。

久しぶりにファイラーを使いつつ、当時のいろいろなことを思い出してしまい、思わず書き出してしまったのでした…