人力移動Blog

登山、シンプルライフ、旅行などなど…

故郷の便り

先日のツバメですが…

yari3180m.hatenablog.com

ほっておいたら短時間だったにもかかわらず、ベランダに糞(フン)をしていました。どうやら私も見守る派でなく、追い立てる派にならなければいけないようです。自然を愛するアウトドア派には辛いですが、一戸建てを構えられない私の甲斐性の無さが憎いです…

故郷の便り

さて、母が脳梗塞で倒れ、なんとか無事退院してからというもの、週末は欠かさず電話するようにしています。当たり前と言えば当たり前の習慣ですが、以前の私は何ヶ月でも平気で連絡することなく、母の方がしびれを切らして連絡してくる有様でした。

電話の内容は、ありきたりな最近の天気、体調、1週間の出来事など。毎回お互い健康に注意していこうね、で終わりです。

今日もいつも通りの時間に電話をかけ、ほぼ同じようなやり取りだったのですが、あまり知りたく無い情報を知らされました。父が骨の癌(骨肉腫?)のようで、どうやら長くなさそうです。

普通なら親の病気なら実家に駆けつけるのでしょうが、両親はだいぶ昔に離婚しており、私は母の籍に入っていて、父とは十数年以上会っていません。過去の事情もあり、病気のことを知ったこれからも会うことはありません。今回の件も、母の知人から母に伝わり、“又聞き”ということになります。今の父の暮らしぶりも、どんな顔になったかもわかりませんが、Google ストリートビューでかつての実家をみると、廃屋同然に荒廃していたので、情けない状態であろうことは想像できます。聞けば叔父と叔母が父の面倒を見ているとか。

母が倒れて入院していた時、母から昔の話をいろいろ聞きましたが、私が幼い頃に父が大腸ガン?を患って入院したことがあり、当時母が死に物狂いで働き、一家の生計を支えたようです。私の記憶には父が一時入院していた記憶だけあり、深刻な状況とは知らされませんでした。実のところ、癌であったことは父にも知らされず、父自身も大したことが無いと思っていたようで、見舞いに行くたび父はニコニコ笑顔で、母の苦労も知らずいろいろ我儘をいっていたようでした。その後父は特段の問題もなく、あっさりと無事に退院したのでした。

母との電話の後、いろいろ昔のことを思い出して感慨深くなり、禁酒してから捨てるに忍びず、ずっと開けていなかったバーボン(Maker's Mark)を開封してしまったのですが、グラスに注いだ時点で我に返り、飲まずに全て捨ててしまいました。

考えてみると私は、『癌を患った父の遺伝子』を受け継いでいます。母方も男は皆早死です。

父の癌は、若い頃は母が全てを支え、老後は叔父と叔母が面倒を見てくれているようですが、私が今後癌を患っても、生計にしろ、入院中の各種世話にしろ、面倒を見てくれる立場の人は誰もい無いわけで、酒など飲んでいる場合では無いのでした。

最近患った頚椎症性神経根症や、母の入院、父の癌。呑気に暮らしてきた私に、まざまざと現実を思い知らされます。

とりあえず、ウェイトを絞りたいこともあり、ダイエットを続けていますが、私が生き延びるには仙人のような生活をしなくてはならないようです。

その他雑感。

以前保守系の掲示板で渡部昇一の『神聖な義務』について読んだことがあります。読んだ当時も今も、保守でも革新でもなく、時流に流される私は『こんな考え方もあるのね』くらいに思っていましたが、ここしばらくの出来事でこのことを思い出し、なんとなく自信を喪失してしまいました。働き蟻のごとく社会の歯車となり、遺伝子を残さず、一人消滅していくのが自分の義務なのではないかと…。とはいえ、まだまだ私にはやるべきことがあるので、しっかりしなくてはなりません。

先日男体山に登り、以前よりだいぶパフォーマンスは落ちていましたが、無事一人で出かけて登頂し、帰ってこれたわけで、まだまだ健康な部類でしょう。仕事の面でも冷遇されているわけではありません。今年の夏は私にとっての復活の夏としたいところです。

今日の本

宮本常一の本は、紙の本を断捨離した今も持っています。田舎の農村というと、閉鎖的で理不尽な風習に縛られ、暗黒社会のごとく書かれているのを目にすることがあります。しかし決して風習は理不尽な理由だけで作られたものではなく、家族や地域の絆で支え合っていく過程で掟として作られ、都会には無い温かみもあることが書かれています。もっとも、今の農村では支え合う人が減り、掟だけが風習として理不尽なかたちで残っていることも否定はでき無いですが…

私自身としては、家族で夕食を外で食べるシーンが気に入り、いつかやってみたいものだと思いました。私も山でテント泊をして、日没を眺めながら食べる夕食はシンプルなフリーズドライであっても、格別に美味しかったですが、『家族』でやれることならやってみたいものです。歳を取ってからとみに思います。